EPISODE 1
ライバル会社との、想定外の絆
営業職/1979年入社
突然の呼び出し
私は、これまで6回の転勤をしてきました。1回目の異動先はなかなか大変で、東北から中国地区へと飛行機で乗り継ぎ、片道6時間。何でこんな遠い所まで来たのだと最初は落ち込みました。
開所したばかりのその営業所は、数社の同業他社が既に市場を網羅。当社の付け入る隙もない状況でした。そんなある日、同業他社の会長さんに呼ばれ会食をすることに。そこで「あなたは何で我々のテリトリーに来たんだ」と脅しとも取れる発言を受けました。冷や汗をかきながら「決して皆さんの基盤である地元の市場を奪う気はありません。当社は全国で大手ゼネコン様と提携しているので、各地に拠点を構え供給する義務があり、そのために参りました」と必死で説明。
さらに「当社は、商品の種類と豊富な機材を備えていますし、技術的協力も支援もできます。リース屋のリース屋、銀行に例えて言えば、日本銀行のような立場で皆さんとおつきあいさせて頂けたらと考えています」と説明し、その夜は無事に帰して頂くことができました。
忘れられない送別会
それ以降、スタッフ全員で地元同業他社に理解して頂けるよう懸命に努力し、次第に同業他社の社長や担当者の対応も友好的なものに変わりました。
やがて任期も終わり、この地を去ることになったのですが、なんと同業の皆さんが心温まる送別会を開いてくれたのです。正直、胸にぐっと来るものがありました。
こうした感動も、一緒に汗をかいて戦ってくれた若き社員たちのお陰です。初めて私に会った時、彼らは戸惑いや不安も感じていたと思います。それでも私を信じて付いて来てくれました。私も彼らに本音で期待と愛情を込めて接したつもりです。
時間は巡り、現在、彼らは立派に成長し各地で責任者として活躍しています。今振り返ると、6回の転勤で出逢えたすべての方が、私のかけがえのない財産です。当社でなら、人生を豊かに変えてくれる、そんな人との出逢いが、きっと皆さんにも待っていますよ。