Report05
足場の仕事って
実は社会に溢れていて、
必要な仕事なんだと実感できる。
福岡支店
仮設事業部
営業職
兒島 健太
(2021年入社)
大学まで野球に打ち込んでいた兒島。厳しい自己管理と競争に揉まれて過ごし、体を使うことを得意としていた兒島にとっても、建設業界というのは少し腰が引ける業界だった。
「やっぱり肉体的にしんどいだろうし、職人さんたちの怖いというイメージも強かったです」。就職活動は最初から建設業界を狙っていたわけではない。ただ、職種は営業と決めていた。
「相手とコミュニケーションをとって、共同作業で一つひとつ課題を解決していくような仕事をしていきたいと思っていました」
日建リース工業にエントリーしたきっかけは、就活エージェントからの紹介だった。迷いはあったが、ここであれば希望の営業職として働ける。「日建リース工業には介護事業部もあります。介護は大学でずっと講義を受けてきた身近なテーマ。いざとなれば異動できることも安心材料になりました」と、当時の志望理由を振り返る。
兒島が安心して建設業界に飛び込めたのは、入社後の研修内容も大きな要因だった。日建リース工業では、営業であっても現場に出る前にしっかりと研修を受けられる。ビジネスマナーや建設業界のこと、レンタルする商品知識などについて、本社や配属先の支店でおよそ2年間学んだ。
営業として社外での活動が増えてくると、建設業界や足場に対するイメージも変化してきた。
「鳶職人の方たちは、じつは優しい人ばかりで、理不尽なことで怒鳴られたりすることもありません。むしろ、思いやりがあって、気さくに声を掛け合えています」
営業車の窓に移る街の景色も、以前とは見方が違う。当たり前に感じていた街の景色に、足場の存在を感じるようになった。
「工事現場や新しい建物を見ると、どうやって足場を組んだのだろう、自分だったらこんなふうに足場を設計するだろうな、と自然と考えてしまうようになってきました。そんなふうに街を見渡すと、足場の仕事はとても多いことに気づきます。それだけ社会から必要とされている仕事なんだと思えるようになりました」
兒島の出社時間は早い。建設現場の稼働時間に合わせるためだ。朝のミーティングの後、デスクワークを済ませてから営業車に乗り込むのが10時ころ。そこから17時ころまで現場を回る。
「私が担当しているのは、建物と道路などの土木工事です。県をまたいで佐賀県のお客様も担当しています」
新規の案件を獲得するためには、業界新聞のチェックが欠かせない。業界新聞には建設工事の告知が掲載されるためだ。工事の告知を見つけると、すぐに担当するゼネコンにアポイントをとって工事を担当する建設会社を聞き出す。
「建設会社にはキーマンとなる方たちがいます。これまでの担当案件の経験や先輩たちのアドバイスからその案件のキーマンを絞って連絡をとり、足場の計画を尋ねます。お客様からお声掛けされるより早く、かつ競合よりも早くキーマンと接触することが受注率を高めるんです」
こういった営業スタイルは、現場に出るようになってから先輩社員に教わった。しかし、先輩社員から影響を受けることは、スキルよりもメンタル面のほうが大きいと兒島は話す。
「先輩たちは自身の経験を惜しみなく共有してくれます。わからないことがあれば気軽に相談できる社風だから、悩みを抱え込むこともありません。先輩たちが若手を伸び伸び働かせようと配慮してくださっていることが、その言動からも伝わってきて、とても有難いです」
勤務時間後に食事をする時も、兒島が仕事の話を振り出すと「いいよ、こんな時まで仕事のこと気にしなくて」と、プレッシャーや焦りを与えないように気遣ってくれるという。
また、ゼネコンや建設会社の初対面の担当者を訪ねても、邪険に扱われたり軽くあしらわれることはない。一様に「新しい日建さんだね」と、しっかりと対話してもらえるのは、先輩たちが関係性を築いてきてくれたおかげである。そのことが、お客様の懐に一歩踏み込む勇気となっている。
「私たちが担当する物件は、商業施設や病院などから橋や道路など、生活をより豊かにする街づくりにつながっています。その地域に与えるインパクトが大きい分、仕事の達成感も大きいです。これからもゼネコン様、現場の職人さんの声に耳を傾けて、地域の未来づくりに貢献していきたいと思います」