半歩でも、一歩でも。
ご利用者さまの
使い心地を一番に、
依頼に踏み込んでいく。

photo: 佐藤 篤志

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東京支店

介護ショップ世田谷店

営業職

佐藤 篤志

(2019年入社)

思考を止めずにベストな用具を選びたい

佐藤篤志は、簡単には動かない。
彼の職場である介護用具のレンタルショップでは、介護用ベッドや手すり、車いすなど様々な介護用具を取り揃え、ケアマネジャーを経由して地域の生活者に届けられる。ケアマネジャーからは日々多くの依頼が寄せられてくる。日常動作の負担を減らしたい要介護者にとって、介護用具が担う役割は大きい。当然、ケアマネジャーもいち早く用具を届けることを優先するため、時には問い合わせから数時間後には届けてほしいといったタイトな依頼も少なくない。

そのような息つく暇もない現場であるが、佐藤は依頼を受けてからひと呼吸置くようにしている。佐藤は顧客であるケアマネジャーの意見を信頼しているが、さらにその先にいる、要介護者の生活の充実感も同じように大事にしている。

 

「要介護者の多くは高齢者です。私が選んだ介護用具を、お亡くなりになるまで使用する可能性だってあります。そう思うと用具を届ける自分の責任は軽くはありません。もちろんスピード感は重要ですが、よりご利用者さまに寄り添った用具はないか、できるだけ慎重に選びたい」

ケアマネジャーに言われるがままに動かない理由を佐藤はそう話す。利用者には用具に不満や違和感を持ってほしくない。そのため、利用者がどんな生活を望んでいるかを詳しくヒアリングし、家屋調査があれば家具の傾向やインテリアの嗜好などもヒントにする。

そのように、利用者の生活を洞察して、依頼から一歩踏み込んだ提案をすることを心がけている。

笑顔をつなぐ架け橋となり「地域の顔」に成長したい

 

介護用具を慎重にセレクトする佐藤だが、日建リース工業へのエントリー理由は「直感だった」と答える。

きっかけは大学で開催された合同説明会だった。20社ほどの企業が参加するイベントで1社ずつ説明を受けたが、強く印象に残ったのも、その後エントリーをしたのも、日建リース工業1社だったという。

 

面接の途中、ふと面接官が言った。「佐藤君は介護事業に適性がありそうだね」。初めは半信半疑だったが、いくつか質問に答えるうちに、自分が社会人として何がしたいかがクリアになっていった。

 

仕事だから、と義務的に動くのではなく、貢献意欲にかられて反射的に体が動いてしまうような仕事がしたい。それが相手の喜びや笑顔につながるならうれしい。無自覚でしたが、そんな自分の働く原動力に気づかされました」

人々を笑顔にする仕事――ありきたりな動機のようだが、日々感謝される仕事というのは、じつはそんなに多くはない。

介護に関わる仕事は、愚痴をこぼしたくなる場面もあるが、同じくらい利用者に「ありがとう」と直接声をかけてもらえる。「亡くなる前に佐藤さんの名前を呼んでました」と、利用者の親族に聞かされることもあった。感謝の思いを受け取る度に、もっと頑張ろうと思うのだという。

利用者の人生の裏方として働く適性は、佐藤の趣味も影響しているかもしれない。彼は学生時代に本気でプロを目指したベーシストでもある。テクニックの高さから勧誘を受けることも多く、今でもファンク、ロック、アイドルグループのバックバンドと、多様なジャンルの3つのバンドで活躍している。下北沢のライブハウスシーンでは、少し顔が知られた存在だ。

そんな佐藤に3年後の目標を尋ねると「地域の顔といえる存在になりたい」と話す。佐藤が生活者の思いに踏み込んだ分だけ笑顔が生まれ、その笑顔がまた原動力になり、また新しい笑顔を創り出していく。そんなふうに笑顔の架け橋となり続ければ、3年後、地域の笑顔の輪の中心には佐藤がいるはずだ。