Report04
「ありがとう」と
お客様から握手を
求められるその日まで
大阪支店
仮設事業部
技術職
永野 貴之
(2017年入社)
永野が日建リース工業を知ったのは、転職イベントで声を掛けられたのがきっかけだった。業種も職種も、すべてフラットな状態で転職先を検討していた永野は、話だけでも聞いてみようとブースに座った。説明が進むと、新国立競技場建設のような国家プロジェクトや、人々の生活を変えるような大型物件など、仕事のスケール感に驚いた。しかも、レンタルビジネスだからエコで社会貢献度も高い。足場の重要性も初めて認識することができ、将来性も明るい会社だと感じたという。
永野は営業職で入社したが、まず配属されたのは技術課だった。仕事の全体感や商品の理解度が高いほど、現場での提案力が発揮できる。そのため、営業職でも最初は技術課で仕事をするのが日建リース工業ではスタンダードである。
「技術課はCADで足場の図面を作成する部署です。お客様の要望と営業のアイデアから商品をセレクトして図面に落とし込み、安全で効率的な足場設計を提案します。ここ大阪支店には、関西、中国、四国エリアから設計の相談が寄せられます」。
通常であれば、技術課での修業期間は長くて2年。いよいよ自分も営業として現場に出る時が来た、と思っていた2年目の終わり。部長から「もう1年やってみないか?」と、相談を受けた。技術課の忙しさを考えると、永野ひとりが抜けるだけでもメンバーに負担がかかるのは明らかだった。永野は迷うことなく技術課を選んだ。
しかし、さらに1年後、「営業ではなく技術としてずっと働かないか?」と言われた時、永野は迷った。
「前職では経験できなかった規模感で営業することに憧れはありました。簡単に気持ちを切り替えることはできません。でも、図面作成にやりがいや面白みを感じている。もっといい設計にするために試してみたいアイデアもある。そして、上司の信頼にも応えたいという思いもありました」。そうして永野は技術職として働く覚悟を決めた。
図面作成は、規模や形状により難易度は異なる。当然、大きく、複雑なフォルムになるほど、足場の配置や強度の維持は困難だ。そういった難しい物件を担当する時は、技術職も建設現場に向かうことがある。モニターや図面では得られない情報を、実際の現場からキャッチすることでアイデアが膨らむことは少なくないのだという。
「自分が設計した足場が現場に組まれ、その足場が外された時には、それまで世界に存在しなかった建造物が姿を現します。私たちの仕事はその土地に大きなインパクトを与える物件を手掛けることが多く、そこにやりがいを感じます。私が担当させていただいた物件でも、大阪の大規模物流拠点や広島のスタジアムなど、難易度が高くプレッシャーが大きかった分、完成した姿を目にした時の達成感はとても大きいものでした」。永野は仕事の魅力をそう語る。
ただでさえ建設業界はスピード感が求められる業界だ。物流の2024年問題もあって、最近はよりシビアなスケジュール管理が求められる。技術課のメンバー同士で連携をとらなければ対応できないため、自然と結束は強まると永野は話す。上司部下のコミュニケーションもとても円滑だと言う。
「実は、半年ほど前に1カ月間の育休を取得しました。上司に相談すると『いいよ、いいよ。しっかり育児しな』と、あっさり休暇を許可してくれました。同僚たちも『休んで当然ですよ』『休み中のことは任せて』と、快く送り出してくれました」。当時のことを今でもとても感謝していると永野は話す。
大阪支店に配属されて間もない頃、支店長に「一人前の社員の条件」を尋ねたことがあった。支店長は「君のおかげで仕事がうまくいった、ありがとう、とお客様から握手を求められた時だよ」と答えたと言う。
「そのシーンを自分に置き換えて想像した時、胸が熱くなったのを今でも覚えています。営業から技術になった今も、そのようにお客様に認められ、喜んでもらうことが私の目標です」。
まだその目標は果たせていない。技術という裏方の立場では難しいかもしれない。けれど、「お客様の、一緒に働く仲間の、生活者の心に残る仕事をして、周囲に『ありがとう』と手を差し出される日を目標に、これからも頑張っていきたいと思います」と、明るく前を向いている。