Report02
現場のスピードを
ダイレクトに感じて動く
事務にマニュアルはない
静岡支店
介護事業部
事務職
矢嶋 みずき
(2016年入社)
日建リース工業の事務は、注文内容を特定のシートにまとめ、商品を整備して保管する工場に配送指示を送ることがメインの業務だ。矢嶋の所属する介護事業部は、お客様からダイレクトに注文を受けるところが、他部署とは異なる。「仮設事業や物流事業では案件を受注した営業から問い合わせが来るのですが、私たちは介護用品の貸与事業所から問い合わせを受けるので、B to Cビジネスに近いのが特徴です」。
ユーザー様との距離感が近いため、よりパーソナルな商品選びが必要となる。貸与事業所から相談を受ける際には、実際に介護用具を使用するユーザー様の状況とケアマネジャーの要望にズレがあると判断すれば、注文と違う商品を提案することもあるという。
その介護用具がユーザー様の生活に合っていなければ返却され、料金のお支払いもいただけない。事務とはいえ貸与事業からの信頼を失うリスクも背負っている。だからといって、右から左にただ注文を受け流すことはない。「売上を左右するという緊張感を持ちつつ、ユーザー様のための商品選びを常に心がけています」と矢嶋は話す。
また、介護の現場はスピード感も重要だ。「ユーザー様を少しでも早く生活しやすくするために、当日対応も珍しくはありません。だから、私たちもPCの前で座ってばかりではいられないです。在庫確認のために工場へ走ることだってあります」。もし希望商品がなければその場で代替商品を選んだり、組み立てが必要な商品であれば配送ルートを変更したりなどの対応に当たっている。
「事務」というとルーティンな仕事ばかりのイメージがあるが、ここでは同じ仕事、前日をなぞったような日がない。状況ごとに毎回異なる判断力と行動力が求められる。
「人によってはそれを大変に思うかもしれないけれど、私はじっと座っているよりも今の働き方が気に入っています。ビジネスパーソンとしての誇りと責任感も自然と強くなりました」。
「私は日建リース工業に入社する前は、サッカー選手として所属するスポンサー企業で働いていました。それが練習中に脚の大ケガを負ってしまい現役引退を余儀なくされ、転職を迫られることになったんです」。矢嶋にとって日建リース工業への入社は、アスリート生活との別れを意味していた。
転職サイトで様々な業界を検索していると、ある時、よく目にする企業があることに気づく。それが日建リース工業だった。様々な業界に進出していることに興味が湧いて応募を決めた。
ケガの影響でまだ脚の自由が利かなかった矢嶋は、座って仕事ができる事務職を希望。面接時に職場を見学させてもらうと、自身が抱いていた「事務」のイメージとはほど遠い光景だったと当時を振り返る。「ゆったり和気あいあいとした雰囲気を想像していたのに、先輩社員はキビキビと社内を動き回っている。私にはそれがかっこよく見えました」。
職場の仲間は、男女も、上司部下も関係なく、皆忙しいながらも、目配り、気配りがよく働いていた。矢嶋が子どもの送り迎えや急な発熱で保育園から呼び出される時には、「早く帰りなよ」「何か引き継いでおこうか」「無理しないで明日は休んで」と、いつも気にかけてくれる。それが無理をしていない、自然な気持ちだと伝わるのがとても温かいと感じた。
ただし、「お互い様」が「当たり前」だと思ってしまうと、そこに甘えが生まれる。「私は仕事には責任を持ちたいし、頼るよりも頼られたい。そんな私の性格を皆知っているので、過剰にフォローしないでいてくれるのも有難いですし、私も本当に頼りたい時には素直に頼ることができます」と矢嶋は話す。
また、子育てと仕事の両立は、社内制度の面でも充実している。実際に保育園のママ友の話を聞いていると、社内の雰囲気も含めて恵まれた待遇だと感じることが少なくない。おかげで、子育てをしながら全力で仕事と向き合えているのだという。
子育てをしていると、どうしても家庭の時間を充実させたいと思うものだ。しかし、矢嶋も子どもも、家にいる時間より会社や保育園で過ごす時間のほうが長い。だったら、仕事を楽しむことが子どものためになると矢嶋は言う。「だって、ママが辛そうに働いていて喜ぶ子どもはいませんよね。私だって子どもが保育園をつまらないと思っていたら悲しいです。暗い気持ちで家に帰るより、お互い笑顔で家に帰れることが、家庭をより明るくするのだと思います」。
仕事を楽しむためにも、もっとできることを増やして、対応力をつけていきたいと矢嶋は話す。そのためには、仕事に興味と疑問を持つこと。興味がなければ仕事上の疑問を見つけられないし、疑問を持って取り組まないと対応力は身につかない。「そうやって少しずつ成長を実感できると、もっと仕事が好きになるはずです。私はこれからも前のめりに働くことで、自分の成長と子どもの成長も、どちらも楽しんでいきたいと思います」。