
OMSとは?物流業界における重要性と導入メリットを
徹底解説
更新日:2024/07/25
Nコラム
OMSとは「Order Management System」の略称で、日本語に訳すと「受注管理システム」を意味します。このシステムはお客様から注文を受けた際、その商品を管理している倉庫から注文された商品をいつ出荷・納品すればいいのかを導き出し、指示する役割を持っています。OMSを導入していれば、受注から出荷までを一括管理できるだけでなく、領収書や請求書の作成、商品ごとの売上比較、在庫管理、配送手続きの効率化など、ECサイトの運営をよりスムーズに行うことができます。OMSの主な機能は以下の通りです。
ECサイトに注文が入った場合、注文情報の確認や発送予定日、発送連絡などをメールで送信できます。
一般のお客様から注文が入った際、注文情報の確認や注文内容の変更、キャンセルにも対応できます。
商品を管理している倉庫が複数ある場合、どの倉庫にどれくらいの商品を在庫しているのかを一元管理できます。
納品書の作成や出荷指示、キャンセルなど、出荷に関する情報を管理できます。
OMSと似たシステムに「WMS」や「TMS」があります。これらのシステムとOMSはどのような違いがあるのでしょうか。各システムの特徴や役割などを紹介します。
OMS (Order Management System)
商品の受注から出荷までを一元管理。一般のお客様から注文を受けた際、その商品を管理している倉庫からいつ出荷し、いつ納品すればいいのかを導き出し、指示します。
WMS (Warehouse Management System)
日本語で「倉庫管理システム」を意味します。物流センターで行われる商品の入荷、在庫、流通加工、書類発行、出荷などの作業を効率化するため、一元的に管理します。OMSはECサイトからのオーダーを管理するのに対し、WMSは商品の在庫管理や入出庫などの倉庫管理を行うシステムです。
TMS (Transport Management System)
日本語で「輸送管理システム」と訳されます。WMSが物流センター内の作業を管理するのに対し、TMSは物流センターから商品が出荷された後、お客様の元に届くまでの輸送全体を管理するシステムです。主にトラックの配車計画や運行管理を行います。
OMSは現在、ECサイトを運営している多くの企業で導入されていますが、OMSが広く普及するようになったのはなぜでしょうか。それはインターネットの普及にともない、老若男女問わずECサイトで買い物をする人々が増えたからです。欲しい商品を自宅にいながら膨大な商品数の中から選ぶことができ、クレジットカードで簡単に決済できるのですから、普及しない理由が見当たりません。
ECサイトの利用者が増えれば、当然商品の受注量や物流も増加します。そうなると商品の出荷や管理作業に追われることになり、人力で作業していてはとても捌ききれなくなります。そんなにときにOMSが役立ちします。ECサイトの運営に必要な要素を一元管理でき、誤出荷などのヒューマンエラーも回避できることから、ECサイトの信頼性も向上。競合との差別化も図ることができます。反対にOMSを導入しなければ、ECサイトの拡大も望めず、結果的に売上も低迷してしまいます。
今後、ECサイトの拡大を視野に入れている場合は、早期にOMSを導入し、業務フローを確立しておけば、将来的に手間やコストを抑えられ、より効率的にECサイトの運営ができるはずです。
OMSを導入すると具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。「業務効率化」、「コスト削減」、「顧客満足度向上」の観点から説明していきます。
業務効率化
ECサイトを運営するにあたって、商品情報の登録・更新、受注情報や出荷情報、顧客情報の管理などは重要な業務項目です。同時にこれらの仕事はかなり煩雑で手間のかかる作業でもあります。人の手で行っていてはスピードも正確性も担保できなくなります。OMSはこのような煩雑な管理作業を軽減してくれます。複数のECサイトを運営しているのであれば、これらの情報を一元的に管理できるため、安定的な運営には欠かせないツールとなります。
コスト削減
システムによる管理なので、人力による作業で防ぎきれないヒューマンエラーを削減することができます。商品の在庫状況も適切に管理できるため、過剰在庫や欠品も防止でき、常に適切な在庫量を保持することが可能です。さらに人力による作業をOMSに任せることで、人件費の削減やこれまで受注管理作業をしていた人材を他の部署に回すなど、人材の最適化にも役立ちます。
顧客満足度向上
OMSはお客様が商品を注文したら、すぐに注文確認のメールを送信し、その後、お客様の注文がどの段階にあるのかをリアルタイムに確認できます。お客様にスピード感のある対応と安心感を提供できるため、顧客満足度を向上させ、競合のECサイトと差別化を図ることができます。
近年の物流業ではOMSだけなく、フォークリフトやコンベア、ピッキングシステムなどのマテハン機器やWMSとも連携し、シームレスな物流環境を整えるのが主流です。たとえば、OMSとWMSが連携することで、注文状況と在庫状況がリアルタイムで更新され、在庫が足りない場合は自動倉庫が無人で在庫を補充。さらにOMSから注文内容がAGV(無人搬送車)に送られると、自動でお客様が注文した商品をピックアップし、検品、梱包、出荷ができるようになるなど、これまで以上に無人化、自動化が進んでいきます。
さらにこのようなシステムが高度化すると、各システムの連携に加え、AIやIoT、ロボティクスなどの新技術を活用した無人倉庫が現実化していくでしょう。特にこれまで受注した大量のデータを解析し、年間を通じて在庫量の変化を予測したり、高性能な画像解析技術によって、属人化していた検品作業が自動化されたりするなど、よりハイスピードで確実な物流環境が確立されていきます。物流の分野は進化が速いことから、もうすでに実現している企業もあるかもしれません。
現代の日本は物流業界に限らず、人手不足が深刻化しており、今後の少子高齢化を考えれば、この傾向はますます深刻になっていくでしょう。そのため、ECサイトで事業拡大を狙う運営者は、早期にOMSをはじめとしたシステムを導入し、業務フローを確立する必要があります。
また、今後を見据えるとシステムを導入しただけで安心はできません。同業他社も同じような自動化を目指してくるため、他のシステムやマテハン機器との連携を密にし、より高度化させていくことが必須。これによって作業の効率化、コスト削減、利益損失の回避といった業務改善を実現し、競合との差別化を図っていきましょう。
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