N-コラム

パレタイズとは?荷物の積み方や効率化の方法など、
パレットへの荷役作業のポイントを紹介

物流業界でよく耳にする「パレタイズ」。パレタイズとは、いったい何を指すのでしょうか? ここではパレタイズの意味や重要性、メリット、コツ、ロボットを活用した自動化について解説していきます。

パレタイズって何? パレタイズのメリット

パレタイズとは

パレタイズとは、ものを運ぶ際に使われるパレットの上に荷物を積み付けていくことを指します。空港や倉庫などでダンボールなどの荷物が塊になって置いてあったり、フォークリフトで運ばれたりするシーンを見たことがあると思います。まさにあれがパレタイズです。パレタイズしてあれば、フォークリフトでパレットを持ち上げるだけで、簡単に移動・積み込み・積み降ろしができ、とても便利です。その際、荷崩れなど起こさないよう安全性に配慮する必要があります。

パレタイズと一緒に「デパレタイズ」という言葉も使用されます。これはパレタイズとは逆の意味があり、パレットに積まれた荷物を下ろすことを言います。デパレタイズにも荷物を下ろす際に荷崩れの危険性があるため、細心の注意を払う必要があります。

 

 

パレタイズのパレットパターン(荷物の積み方)

荷崩れしないよう安全にパレタイズするためには、何に気を付ければいいのでしょうか。そのポイントは積み方(パレットパターン)にあります。パレットパターンにはいくつかの方法があり、それぞれ特徴やメリット・デメリットがあります。ポイントを押さえて荷崩れしにくいパレタイズができれば、フォークリフトでの作業やデパレタイズのときの安全性も高まります。では、代表的なパレットパターンを紹介しましょう。

 

ブロック積み(平積み)

ブロック積み

工業製品や日用品など、一般的な貨物を常温で輸送するコンテナで、最も普及しているタイプです。積み込まれる貨物には電化製品、自動車部品、コーヒー、たばこ、ワインなど多岐にわたります。

 

 

 

 

交互列積み交互列積み

1段ずつ荷物の向きを90度変えて積んでいくのが交互列積みです。ブロック積みよりも横向きの力に強く、荷崩れしにくいメリットがあります。ただ、荷物の形によって90度向きを変えたときに縦横の寸法が合わないと、全体の形として正方形にならないため、パレットからはみ出す恐れがあります。

 

 

 

 

レンガ積み

レンガ積み

1段の中に横向きと縦向きの荷物が混在している積み方です。1段ごとに荷物の向きを180度変えることで、荷崩れしにくくなります。倉庫に納品するときもさまざまな角度から荷物を目視でき、確認しやすくなるのもメリットです。ただ、全体的に長方形になりやすく、正方形のパレットだと積みにくくなることもあります。

 

 

 

 

スプリット積みスプリット積み

レンガ積みの応用パターンとしてスプリット積みがあります。横向きの荷物の間に隙間(スプリット)を設け、全体の形を整える方法で、ダンボールの縦横比が合わなくても、隙間で調整できるため、さまざまなサイズのパレットに合わせることができます。しかし、その隙間から荷崩れを起こしてしまう可能性があるため、パレットの内側に隙間を設けるようにしましょう。

 

 

 

 

ピンホール積み(風車形積み付け)

ピンホール積み

荷物を風車のような形にして積み上げていく方法です。1段だと荷物の向きを反転させて積むことで、横向きの力に耐性があります。パレット中央部分に穴ができ、冷蔵や低温輸送などの温度管理が厳しい荷物の場合に向いています。しかし、その空洞のせいで積載率が下がってしまうデメリットもあります。

 

 

 

 

ダブルピンホール積み

ダブルピンホール積み

ピンホール積みの応用型で、中央の穴を2つにした積み方です。パレットの上にピンホール積みをしたら、その内の1つの荷物を使って、もう1つピンホール積みを構成します。残った角の部分にも荷物を置きます。これを左右反転させながら積んでいきます。積み方が複雑なので、スムーズに積めるまで時間がかかりますが、積載性が高いので、パレットに1つでも多く荷物を積みたい場合には有効です。

 

 

 

 

効率よくパレタイズするコツ・方法

パレタイズのポイント

上述したようにパレタイズの際、荷崩れさせず安全に作業するためには、荷物のサイズや特性に合わせたパレットパターンを選ぶことが大切だということを解説しました。では、その他にも効率的かつ安全にパレタイズするコツや方法はあるのでしょうか? そのポイントを紹介しましょう。

 

パレタイズで気を付ける基本中の基本は「荷崩れをしないようにする」こと

当然のことですが、パレタイズの際、最も重要なのは荷崩れによる事故を起こさないことです。いくら効率的な積み方ができても、すぐに荷崩れするようなパレットパターンでは意味がありません。常に「フォークリフトで運んだ際、荷崩れしないか」、「トラックで輸送しても安全か」を念頭において、パレタイズしましょう。

 

同じ種類の荷物を積むときは、上述したパレットパターンで積むこと

同じ種類の荷物(サイズ、重量、ダンボールの素材など)を何個も積む場合は、上述したパレットパターンの中から適切なものを選んで積むのが基本です。荷物同士をしっかりと密着させ、確実に積み付けていきましょう。

 

種類が異なる荷物を積む場合は、重いものや硬いものを下に、軽いものや軟らかいものは上に積むこと

物流現場では荷物の送り先によって、1つのパレットの中にさまざまな種類の荷物を積まなければならない場合があります。そのときは「重さと硬さ」に注目してください。基本は重いもの、硬いものを下から順番に積んでいきます。軽いものや軟らかいものを下から積んでいくと、荷物の重さによって下に積んだ荷物がつぶれ、荷崩れにつながります。

 

重しになる荷物を最後に載せること

重いもの、硬いものから順に積み付けていったら、いちばん上には中程度の重さをもった荷物を載せましょう。これによって軽い荷物を上から押さえつける重しになり、荷崩れしにくくなります。

 

荷崩れの原因となるオーバーハングに注意すること

オーバーハングとは、荷物の角の部分がパレットからはみ出している状態のことを指します。荷物がオーバーハングすると、いちばん強度のある荷物の角がパレットで支えられないため、積み付けられた荷物の重量でつぶれてしまう可能性があります。下の荷物がつぶれれば、そこからバランスが崩れ、荷物全体の荷崩れにつながります。

 

フィルム(ラップ)を巻くこと

さまざまな荷物を混載する場合は、最後に荷物の外周をグルッとフィルムで巻くことをおすすめします。荷物全体が締め付けられるため、横から力がかかったときでも荷物が倒れるのを防いでくれます。

 

ロボットによるパレタイズの自動化

パレタイズをする際、以前は手作業で行うのが常識でした。しかし、近年はアシスト機器やロボットを使うことで、労働負荷の軽減や人手不足に対応する物流企業も数多く現れました。

ロボットを使用すれば、重い荷物であってもパレタイズ/デパレタイズが容易で、パレットパターンをプログラミングすれば、ミスなく正確なパレタイズを実現してくれます。導入時のイニシャルコストはかかりますが、一度パレタイズするラインを構築してしまえば、永続的にランニングコストを抑えることが可能。事業規模、予算などを考慮し、ロボットによる適切な自動化を検討してみましょう。

 

 

まとめ

パレタイズはさまざまな形状の荷物をより安全に、より効率的にパレットに積み付けていくのが基本。そのためにさまざまなパレットパターンがあり、荷物に合わせて最適なパレットパターンを選択することで、荷主様の荷物を安全かつ効率的に輸送することできます。日建リース工業では、パレタイズに欠かせないさまざまなタイプのパレットをリース/販売しています。パレタイズについて困りごとがあれば、日建リース工業に相談してみてはいかがでしょうか?

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よくある質問

パレタイズとは? どんな作業?
パレタイズとは、ものを運ぶ際に使われるパレットの上に荷物を積み付けていくことを指します。その際、荷崩れなど起こさないよう安全性にも配慮する必要があります。
パレタイズによるメリットは?
パレタイズしてあれば、フォークリフトでパレットを持ち上げることができます。簡単に倉庫内を移動でき、トラックなどへの荷物の積み込み/積み降ろしに便利です。
パレタイズの種類(パレットパターン)はどんなものがある?
パレットパターンには「ブロック積み」、「レンガ積み」、「ピンホール積み」など、いくつかの方法があり、それぞれ特徴やメリット・デメリットがあります。ポイントを押さえて荷崩れしにくいパレタイズができれば、フォークリフト作業時の安全性が高まります。
安全かつ効率的にパレタイズするコツは?
荷物に合わせたパレットパターンを選択する以外にも、安全かつ効率的にパレタイズするコツがあります。「種類が異なる荷物を積む場合は、重いものや硬いものを下に、軽いものや軟らかいものは上に積むこと」や「荷物の外周にフィルムを巻くこと」など、コツを押さえることで、より安全性と効率性が上がります。
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