Nコラム
パレット輸送とは、パレットを使った輸送方法を指します。輸送に使うパレットは荷物を載せる台を指し、木製パレットやプラスチックパレットが一般的です。荷物を載せても壊れない強度を持ち、フォークリフトで運ぶために側面にフォークを差し込むための差し込み口を備えているのが特徴。このパレットの上にバラで積み降ろししていた荷物をまとめて載せることで、荷物を効率的に管理、移動、配置することができます。
パレットには用途に応じたさまざまな種類があります。ここではパレットに使われる素材別、形状別にその特徴やメリット/デメリットについて解説していきます。
木製パレット
プラスチックパレットに比べ、通常の温度環境や室内での耐久年数が短く、水による腐食を起こすデメリットがあります。ただ、プラスチックパレットに比べて安価で、用途に合わせてさまざまなサイズを製作することができます。また、高温・低温の環境に強いことも大きなメリットです。近年は補修による再利用が可能であることやリサイクル性の高さかから、環境負荷が小さいパレットとしてその良さが見直されています。
木製パレットに比べて耐水性・耐薬品性に優れており、腐食やカビの発生がないため、長期間にわたって衛生的に使用できる点が大きなメリットです。ささくれや釘による製品の汚損や作業員のケガの心配がなく、安全性が高いことも特徴です。また、寸法や品質が安定しているため、自動倉庫などの精密な物流システムにも適しています。一方で、オーダーメイドで製作する際は金型が必要になるため初期費用がかかる点や、部分的な補修が難しいといった側面もあります。近年は再生材を利用した製品も多く、リサイクルしやすいことから環境負荷低減に貢献するパレットとしても注目されています。。
主に鉄を素材とし、堅牢性や耐荷重性に優れています。鉄といっても、炭素やマンガンなどを添加した合金製なので、硬さや曲げ、捻じりに対しても耐性を発揮。防汚面にも優れているため、長く使用できる点が魅力です。不要になった場合でもスクラップして再利用できるため、環境負荷の低い点も特徴。また、錆についても、表面に亜鉛メッキ加工を施すことで防止できます。
平パレット
もっとも一般的なタイプで、フラットな形をしたパレットです。側面にはフォークリフトのフォークを差し込むための差込口を備えています。一般的な平パレットのサイズは、約1.1m×1.1mの正方形で、厚みは15cmほどです。
シートパレット
特殊なクラフト紙や合成樹脂でつくられた薄いシート状のパレット。専用のフォークリフトを使って運搬する必要があり、袋状の荷物を運ぶ際によく利用されます。
ボックスパレット
鉄や樹脂でつくられた箱型のパレットで、運搬する荷物を箱の中に入れて使用します。上面が空いているものやフタのできるものがあり、上面を取り外せるものや折り畳めるもの、それらができない固定式など、さまざまなタイプがあります。
ロールボックスパレット
パレットの底部分にキャスターが付いており、フォークリフトを使用しなくても人力で移動できるタイプです。カゴ台車と呼ばれることもあります。
パレット輸送を導入することで、現場の業務がどのように改善されるのでしょうか。効率化の観点からそのメリットを3つ挙げてみました。
荷物を運ぶトラックやコンテナには積載可能な容量が決まっています。手作業で隙間なく積む「バラ積み」は空間的な積載量を最大化できる場合がありますが、積み下ろしに多くの時間と労力がかかります。
パレット輸送を導入すると、荷物をユニット化してフォークリフトで一気に積み下ろしできるため、荷役効率が劇的に向上します。これによりトラックの待機時間が削減され、次の輸送に素早く移れるなど、輸送プロセス全体の効率化に大きく貢献。結果として、輸送コストの最適化や人件費の削減につながります。
パレットはフォークリフトで積み降ろしするため、人力による積み降ろしとは比べ物にならないくらい作業が楽になります。倉庫内の保管場所を移動させる場合も、フォークリフトで簡単に移動させることができます。パレットの導入によって、作業負担の軽減や人手不足の課題解決にも効果を発揮してくれます。
パレットごとに荷物を分けて倉庫内に保管しておけば、在庫管理がしやすくなります。さらにパレットラックを使用すれば、縦方向に積み上げることもできるため、保管効率も向上します。
パレット輸送における効率化とは少し異なりますが、パレットを使用することで、荷物の破損や汚損のリスクを低減できるメリットもあります。パレット輸送では、梱包用のストレッチフィルム(ラップフィルム)で荷物をしっかりと固定し、輸送中に荷物がズレたり、落ちたりしないようにしています。そのため、輸送中の事故を減らすメリットもあります。
また、積み降ろしや移動の際にはフォークリフトを使用するため、荷物に直接機触れることがありません。手作業で荷物を積み込むと、積み下ろしの回数も増えるため、荷物の破損や汚損につながる可能性大。パレット輸送はそれらのリスクも防いでくれるのです。
近年、パレット輸送が環境対策として効果的であることに注目されています。なぜパレット輸送によって環境への負荷が低減するのでしょうか。最も大きな点は「積載効率の向上」です。パレットにはさまざまな荷物を効率的に載せることができるだけでなく、パレットのサイズを統一することで、トラックやコンテナへの積載効率が高まり、輸送回数や輸送台数を削減できるからです。輸送回数や輸送台数が削減できれば、当然、船やトラックなどの燃料も削減でき、CO2の排出量も下げることができます。
このような輸送の効率化だけでなく、パレットそのものをリサイクルする動きも高まっています。木製パレットの場合、不要になると木材チップに加工され、製紙用のパルプや燃料として再利用されます。また、近年ではリサイクルが難しいと言われていたプラスチックパレットも、リサイクル技術の進化で再利用できるようになってきました。なかには100%再生原料のみで再製品化しているプラスチックパレットもあり、環境負荷の低減に貢献しています。
荷物の輸送方法のひとつであるパレット輸送は、業務効率を向上させるだけでなく、環境対策としても有効な手段として注目されており、数多くの物流会社が取り入れている方法です。あなたの会社が扱っている荷物に適したパレットを選ぶことで、コスト削減をはじめ、人手不足の解消など、さまざまなメリットをもたらしてくれます。
さらに近年、環境への配慮が求められるなか、パレット輸送だけでなく、木製パレットの活用や再生プラスチックを使ったパレットを採用することは、企業イメージを向上させるだけでなく、採用活動にも大きな武器となります。
パレット輸送は今後もさらに進化し、物流業界では当たり前の輸送手段になっていくはずです。物流業務の効率化や環境対策を考えていらっしゃるなら、この機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか?
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