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マテハン(マテリアルハンドリング)とは?意味や種類、メリット・注意点をプロが解説

物流業界でよく耳にする「マテハン」という言葉。よく聞く言葉だからこそ、いまさら聞けない言葉でもありますよね。本記事では物流のプロがマテハンの基本から、人手不足を解消する最新機器の種類、導入のコツまで分かりやすく解説します。

マテハンとは?物流を支える「マテリアルハンドリング」の基礎知識

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マテハンとは「マテリアルハンドリング(Material Handling)」の略で、直訳すると「モノの取り扱い(運搬・保管・移動など)」という意味になります。日本ではこれを略し、物流現場では「マテハン設備」「マテハン機器」「マテハン導入」のように使います。マテハンは単に荷物を「運ぶ」だけではなく、荷物を持ち上げ、倉庫内を移動させたり、棚にしまったりするときにも使います。

トラックがどれだけ優秀でも、倉庫の中で荷物が動かせなかったり、積み込みに時間がかかったりしていては、物流全体の効率は悪くなります。そのため、マテハンは物流の現場力を決めるとても重要な要素といえます。

 

 

なぜ今、マテハンが注目されるのか?

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いまマテハンが注目されているのは「労働力」、「効率化」、「労働環境」を解決できる手段だからです。その3つの要素をそれぞれ解説していきましょう。

 

「省人化」による人手不足の解消

2024年4月から、トラック運転者にも時間外労働の上限規制(年960時間)が適用され、拘束時間・休息期間のルールも強化されています。これが「物流の2024年問題」です。国交省は、対策を講じない場合、2024年度に輸送能力が約14%不足、このまま推移すると2030年度に約34%不足と推計しています。

加えて厚生労働省は、2025年には75歳以上人口が全人口の約18%になる見通しを示しています。

【出典】厚生労働省「我が国の人口について」

 

また、内閣府の高齢社会白書でも、労働力人口に占める高齢層の比率上昇が示されており、若手の採用が難しく、現場の熟練者が高齢化することで、人を増やすよりも人が少なくても仕事ができるようにする仕組みが急務となります。

【出典】内閣府「令和7年版高齢社会白書(全体版)」より「 1就業・所得」

 

 

作業効率の向上とミスの防止

マテハンは省人化だけでなく、作業の安定化、つまり生産性の向上にも役立ちます。荷待ちや荷物の探索など、現場では無駄な時間が発生することが多く、効率の悪さが課題として挙げられます。マテハンを導入することで、このような無駄な時間を低減し、さらに人的ミスを削減する効果があります。

 

 

労働環境の改善

物流現場では、荷物を持ち上げるためにかがんだり、それを運んだりする場面が何度もあります。これらの作業は身体への負担が大きく、厚生労働省も陸上貨物運送事業の腰痛予防として、重量物取扱い作業の自動化・省力化(リフターや自動搬送装置の使用)、コンベアや台車の活用などを明示しています。

重筋作業をマテハンで減らせば、ケガや腰痛のリスクを低減し、作業品質の安定や離職の防止にも役立ちます。

【出典】厚生労働省「陸上貨物運送事業における腰痛の予防」

 

 

工程別に見る代表的なマテハン機器の種類

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物流現場ではどのようなマテハン機器が使われているのでしょうか。工程別に説明していきます。

 

■運搬・搬送

運搬や搬送は荷物を動かす工程です。この工程が滞ると、保管や仕分けなどの後工程すべてに影響してしまいます。

フォークリフト

荷物を載せたパレットを持ち上げて運ぶ車両です。倉庫や工場、物流センターで使われている最も基本的な搬送機器のひとつです。入荷した荷物をトラックから降ろし、所定の場所へ運びます。出荷する際はトラックへの積み込みも行います。重い荷物を一気に動かせ、パレット運用との相性も良いですが、人が運転する機器なので、熟練度に差が出ます。人と接触する可能性もあるため、安全管理も重要となります。

コンベア

ベルトやローラーで荷物を一定のルート上に連続的に流す機器です。人が荷物を持って移動する距離を減らし、流れ作業をしやすいメリットがあります。一方で、頻繁なレイアウト変更が難しい弱点もあります。

AGV/AMR(自動搬送ロボット)

倉庫内で、人の代わりに荷物を自動で運んでくれるロボットです。AGVは磁気テープやガイドなどが貼られたルートを走るタイプで、AMRは周囲を認識しながら柔軟にルートを判断して走るタイプです。荷物を作業者の近くまで運べ、工程間の定期的な搬送に向いているため、省人化に効果的です。ただし、現場の整理整頓や通路幅、段差などの条件を確認してから導入する必要があります。

 

■保管

荷物を置く工程です。置く際は荷物を取り出しやすく、ピッキング時に間違えにくい置き方をすることが求められます。

 

自動倉庫

荷物を棚に自動で入出庫する設備です。入庫・保管・出庫の自動化ができ、在庫の位置を管理することも簡単です。高所の空間を有効活用することにも向いています。省人化、省スペース化、在庫精度向上に貢献でき、高い場所に人が上らなくても済むため、安全性にも寄与します。初期投資が大きいため、レンタルやリースを活用するのがおすすめです。

移動棚

棚そのものが動いて、必要な通路だけを開ける保管設備です。固定棚より通路を減らせるのが特徴。固定棚と同じ面積でも保管量を増やすことができ、限られたスペースの有効活用に最適です。自動倉庫よりも大掛かりではないため、導入しやすく、既存の倉庫の改善策として用いられることが多いです。動線や作業頻度を考慮して配置設計する必要があります。

 

■仕分け・ピッキング

注文内容に合わせて商品を「分ける」「取る」工程です。ECサイトや多品種小ロットの商品では、最も人手が必要となり、同時にミスが出やすいポイントでもあります。

 

ソーター

荷物を行先別・種類別に自動で仕分ける機械です。大量出荷時の高速仕分けが可能で、人による手仕分けの削減に貢献してくれます。商品を大量に処理でき、仕分けスピードも速いのが特長。反面、物量が少ないと投資効果が出にくい面もあります。

デジタルピッキング

棚にランプなどの表示器を付け、どこから何個取るかを作業者に視覚で指示する仕組みです。ピッキング作業の際のガイドとなり、作業ミスを低減してくれます。不慣れな作業者でも作業しやすく、教育時間の短縮にもつながります。

 

■物流の基盤

マテハン機器というと、ロボットや自動倉庫のようなものが注目されがちですが、物流全体の効率を支えるのは基盤資材であるパレットやコンテナです。

 

パレット

荷物を載せる「台」の役割をします。フォークリフトでまとめて扱えるようにするための基本資材と言えます。荷役時間の短縮、荷物の破損低減、搬送・保管・積み付けの標準化をするために欠かせません。パレットが揃っていないと、フォークリフトで扱いにくくなるだけでなく、保管効率が下がり、積み付けも不安定になり、荷役時間も長くなります。

 

コンテナ

通い箱・折りたたみコンテナなど、商品を入れて運ぶ箱です。繰り返し使えるタイプは、物流の効率化と品質の安定に貢献してくれます。商品をコンテナに入れておけば、仕分けや保管の単位化ができ、回収や再利用にかかるコストの最適化も可能です。積み重ねや保管がしやすく、ライン投入や搬送に乗せやすいメリットもあります。パレットやコンテナなどの基盤資材は、大量に導入するとなると案外コストがかさむものです。そんなときはレンタルを活用してみるのもひとつの選択肢です。

 

 

マテハン導入のメリット・デメリット

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マテハンを導入することで、物流現場を強くするメリットがあります。その一方で導入時に「費用」、「維持管理」、「現場への適合」という課題が出てきます。メリット・デメリットをまとめていきましょう。

メリット

これまで人力で行っていた、運ぶ・探す・持ち替える・仕分けするといった作業が速くなります。フォークリフトで一度に大量の荷物を搬送でき、ソーターで仕分けを自動化することで、効率的に仕事ができるようになります。また、作業手順が標準化され、人によるやり方の差も出にくくなるなど、作業品質の安定化にもつながります。初期投資はかかりますが、人手不足による残業コストや、作業ミスによる再作業・再出荷のコストなども減らせるため、全体で見るとコスト削減につながるのも大きなメリットです。

 

デメリット

マテハン機器は、自動化設備になるほど導入時の初期費用が大きくなりやすいです。導入後はメンテナンス費用もかかるため、予算を確保しておく必要があります。また、固定的な設備を入れると、大掛かりなレイアウト変更を行わなければならない可能性もあります。導入時の最適解が将来的にも最適とは限らないのが難しいところです。

 

 

日建リース工業が提案する「マテハン活用」の新しい形

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従来のマテハン導入は「高い機器を買って、長く使う」が基本でした。しかし、日建リース工業では「必要なときに、必要な機器を、最適な状態で使う」ことを提案します。つまり、マテハンを設備購入の話としてではなく、現場改善を止めないための運用手段として活用する、ということです。

レンタルを活用すれば、初期投資ゼロで最新機器を導入でき、資産計上も不要です。現場の繁忙期・閑散期に合わせて柔軟に増減や入れ替えができます。さらに、メンテナンス不要で常に最適な状態の機器を使いやすいメリットもあります。日建リース工業は、マテハンを一部の大規模現場のものではなく、より多くの現場で実行できる改善策に変えていくものだと考えています。

 

 

 

まとめ:最適なマテハン活用で次世代の物流現場へ

いま物流現場に求められているのは、単なる「機器導入」ではありません。人手不足、物量変動、品質要求の高度化といった環境変化の中で、現場を止めずに、効率よく、安定して回し続ける仕組みづくりです。その中核になるのが、マテハンの最適活用です。省人化、生産性向上、労働環境の改善。これらの実行力を高めるのが、レンタルを活用した柔軟な運用です。まずはレンタルでスモールスタートさせるのがおすすめです。

 

物流業務を効率化するさまざまなマテハン機器を販売・レンタルしています

日建リース工業は、パレットやコンテナといった基本資材から、自動倉庫、ロボットなど大掛かりな設備まで、倉庫運用向けにマテハン機器のレンタル(リース)を提供しています。必要なものを、必要な時に、必要な数だけ。全国130箇所に広がるネットワークで物流現場をサポートします。物流機器のレンタルだけでなく、物流システムや仕組みづくりも得意としています。日建は物流分野全般をサポートする総合企業です。見積依頼も無料でできるので、物流関係に携わる方はぜひ覗いてみてください。

よくある質問

マテハンとは?
「マテリアルハンドリング(Material Handling)」の略で、モノを動かす・運ぶ・保管する・取り出す作業を効率よく行うための仕組みや設備のことです。具体的には、フォークリフト、ハンドリフト、コンベヤ、自動倉庫、パレット、ラック(保管棚)、ソーター、無人搬送車(AGV/AMR)などを指します。
マテハンと物流システムの違いは何ですか?
マテハンは、現場でモノを動かしたり、保管したりするための設備・機器を指します。一方、物流システムは物流全体を管理・最適化するための情報の仕組みを指します。物流システムは物流全体を管理する頭脳であるのに対し、マテハンは現場を動かす手足のようなものと捉えるとわかりやすいです。
小規模な倉庫でもマテハンを導入する価値はありますか?
あります。小規模な倉庫は少人数で回していることが多く、属人化しやすい傾向にあります。さらに繁忙期と閑散期の差も吸収にくいため、マテハンの効果が出しやすいと言えます。ポイントは大掛かりな自動化設備を入れるのではなく、ムダとミスをなくす小さな導入から始めることです。
レンタルできるマテハン機器にはどのようなものがありますか?
パレットやコンテナ、台車、フォークリフト、搬送ロボットなど、幅広いマテハン機器がレンタルできます。レンタルは必要なときに、必要な数だけ柔軟に借りられるため、購入するよりも効率的に運用できます。
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