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定期巡回・随時対応型訪問介護看護とは?メリットや料金、訪問介護との違いを解説

「夜間の排せつ介助がつらい」「急な体調変化に一人で対応できるか不安」などといった在宅介護の悩みを解決するのが『定期巡回・随時対応型訪問介護看護』です。本記事では、24時間365日体制で高齢者を支えるこのサービスの仕組みから、気になる利用料金、従来の訪問介護との違いまで、初心者にも分かりやすく解説します。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護の「4つのサービス」

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「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」は、定期的な短時間訪問に加えて、困ったときでも電話で相談でき、必要であれば、駆けつけて医療的なケアにもつなげることで、在宅生活を365日24時間支える仕組みです。2012年、医療・介護連携の不足を背景に、重度者の在宅介護を24時間支える体制づくりのために創設されました。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護には、以下の4つのサービスがセットになっています。それぞれのサービスについてわかりやすく説明していきます。

 

1.定期巡回(1日複数回、短時間での安否確認や介助)                                                                    

ケアプランと事業所の計画に沿って、訪問介護員などが数分から20分程度の短時間、複数回訪問し、安否確認、排せつ介助、体位変換、服薬の声かけ・確認、水分補給・食事の一部介助、更衣介助・移乗介助を行います。

 

2.随時対応(24時間コールセンターにつながる安心)                                                                    

夜間や早朝でもオペレーターに24時間電話などで相談でき、被介護者の状況を聞き取り、必要な対応を判断します。コールセンターにつながったら、被介護者に何が起きたのか、本人の状態を報告し、その場で助言をもらえます。また必要に応じて、自宅に駆けつけたり、救急であれば119への案内をしてもらえたりします。

 

3.随時訪問(いますぐ来てほしいときの駆けつけ)                                                           

2で述べたように、要請を受けたオペレーターの判断で、訪問介護員などが自宅に駆けつけます。介護者が体調不良でうまく動けない場合など、一時的に対応できないときの支えになります。

 

4.訪問看護(医療的ケアが必要な方への看護)                                                           

褥瘡(床ずれ)などのスキンケアや服薬管理などの医療ニーズがある場合は、看護師などが訪問し、医師の指示の下で診療の補助などを行ってくれます。この場合、一体型と連携型があります。同一事業所が訪問介護と訪問看護を一体的に提供するのが「一体型」で、情報共有が密で動きが速いのが特長です。連携型は訪問介護の事業所が、地域の訪問看護事業所と連携してサービスを提供するもので、医療ネットワークの強みを生かしやすいのが特長です。

 

 

 

通常の「訪問介護」と何が違う? 3つの大きな相違点

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「在宅介護者の自宅に訪問する」という行動については、定期巡回・随時対応型訪問介護看護も訪問介護も同じですが、両者は考え方がまったく違います。定期巡回・随時対応型訪問介護看護と訪問介護の違いを解説していきます。

 

1.「時間制」ではなく「回数無制限・短時間訪問」が可能                                                                    

通常の訪問介護は、料金が20分未満や30分未満といった「時間区分×1回」で積み上がっていきます。つまり、回数が増えればコストも増え、短い用件でも時間に縛られます。

一方、定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、月額包括(要介護度別の所定単位)になっています。そのため、1回を数分単位で短く区切って、1日複数回といった利用がしやすく、排せつ・体位変換・水分補給・服薬確認など、こまめに見てほしい場合や少しだけ手を貸してほしい場合に向いています。

 

2.急なスケジュール変更にも強いケアプランの柔軟性がある                                                                    

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、便秘・下痢、転倒リスク上昇、介護者の急用など、日々の状態変化に対応できるのが前提のサービスです。運営の手引きでは、利用者の心身の状況に応じて、日々の提供時間や内容を事業所側で変更し、ニーズに応じて柔軟に提供できることが明記されています。

通常の訪問介護でも変更はできますが、基本は「予約した時間枠の訪問」を積み上げるため、急な増回・時間変更は、調整の手間がかかり、費用の増減が起きやすくなります。

 

3.介護と看護がセット(包括)で提供される体制                                                                    

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、入浴、排せつ、食事などの介護に加えて、必要に応じて療養上の世話や診療の補助といった看護を一体的に受けることが可能で、さらに必要時にはそれらのサービスを随時受けられる仕組みです。その提供体制は先述した、同一事業所で訪問介護と訪問看護を一体的に提供する「一体型」と、訪問介護の事業者が地域の訪問看護事業所と連携して提供する「連携型」に分かれます。

料金面でも、訪問看護サービスを行う場合と行わない場合で月額包括の単位が分かれており、看護を含めた体制として設計されていることが分かります。

一方、通常の訪問介護は、看護は訪問看護として別サービスになっており、24時間の随時対応・駆けつけが標準で付くわけではありません。

 

 

定期巡回サービスの利用料金:安心の「月額定額制」

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定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、使えば使うほど料金が高くなるのではなく、定額(包括費用)であることがポイントです。料金の基本構造や要介護別の月額利用料の目安などを紹介します。

 

介護保険サービスは、基本的に 「単位数 × 1単位の単価(地域で変動)」で総額が決まり、そのうち1〜3割が利用者負担、残りは保険給付です(単価は地域により10円〜11.40円程度の幅があります)。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、基本報酬が 「1か月につき」要介護度ごとに決まる設計になっています。

 

たとえば、名古屋市は、訪問看護が含まれない場合(介護+24時間対応)は、要介護度別では以下のような内容になります(1単位=11.05円で試算)。

 

要介護度 月額(総額)目安 1割負担 2割負担 3割負担
要介護1 約60,200円 約6,000円 約12,000円 約18,100円
要介護2 約107,400円 約10,700円 約21,500円 約32,200円
要介護3 約178,300円 約17,800円 約35,700円 約53,500円
要介護4 約225,600円 約22,600円 約45,100円 約67,700円
要介護5 約272,800円 約27,300円 約54,600円 約81,900円

 

排せつ介助や体位変換などで訪問回数が増えても、基本部分は月額なので見通しが立ちやすいのがメリットです。

では、次に訪問看護が含まれる場合(介護+看護の包括)はどうでしょうか?

 

要介護度 月額(総額)目安 1割負担 2割負担 3割負担
要介護1 約87,800円 約8,800円 約17,600円 約26,300円
要介護2 約137,200円 約13,700円 約27,400円 約41,100円
要介護3 約209,400円 約20,900円 約41,900円 約62,800円
要介護4 約258,100円 約25,800円 約51,600円 約77,400円
要介護5 約312,700円 約31,300円 約62,500円 約93,800円

 

介護だけでなく、医療的ケアが必要な方は、看護まで含めて月額で組めるため、夜間や急変リスクがあるケースほど安心感が大きいのがメリットです。

 

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は月額制ですが、生活の消耗品などは別途費用がかかります(自己負担)。たとえば、おむつ・尿取りパッド等の消耗品、ガーゼなどの医療材料が実費に当たるものです。また、介護ベッドなどの福祉用具については、そもそも福祉用具貸与という別サービスとなるため、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の月額に含まれません。

 

※上記の金額は基本報酬の目安で、実際は加算(体制・処遇改善等)や地域単価で変わります。また、他サービスとの併用状況によっては、月の支給限度額との関係も出るため、最終的にはケアマネ・事業所と確認が必要です。

 

 

定期巡回・随時対応サービスを利用するメリット・デメリット

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定期巡回・随時対応型訪問介護看護について、詳しく解説してきましたが、メリットがある反面、デメリットもあることは否めません。そこで、定期巡回・随時対応型訪問介護看護のメリット・デメリットをまとめてみました。このサービスを利用するかどうかの判断材料に活用してください。

 

【メリット】

1.夜間対応の不安が大きく減る

定期巡回・随時対応型訪問介護看護の最大の価値は「夜に何かあったらどうしよう」という不安を、24時間つながり、場合によっては来てもらえる体制で支えてもらえることです。「夜間の排せつ介助が必要」、「体位変換をしないと床ずれが心配」といった短時間だけど、頻発する困りごとに対して強く、家族の睡眠や見守りの負担軽減に役立ちます。

 

2.一人暮らしの継続に向いている

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、長時間の滞在よりも、短時間の訪問を複数回組みやすいサービスです。安否確認や生活上の小さな不安をこまめにフォローしてくれるため、独居でも在宅生活を継続しやすくなります。

「誰かが毎日必ず来てくれる」、「困ったらいつでも連絡できる」という安心感があることで、本人だけでなく、遠方の家族の心理的負担が下がりやすいのも大きなポイントです。

 

3.施設入所を遅らせられる可能性がある

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、中重度になっても住み慣れた地域・自宅で暮らし続けることを支える狙いで設計されています。夜間や頻回介助がネックで施設入所を検討していたケースでも、定期巡回+随時対応の組み合わせにより「あと半年〜1年は在宅で」という判断につながることがあります。

 

【デメリット】

1.対応できる事業所がまだ少なく、地域差が大きい

国の検討資料でも、事業所数は増えつつあるものの、いまだ少ない状況であることが示されています。実際、自治体によっては事業所が限られ、希望する時間帯や距離感(駆けつけの速さ)で選択肢が少ないことがあります。

 

2.対応エリアが限定される

定期巡回・随時対応型訪問介護看護は地域密着型サービスなので、原則としてその市町村の住民が利用する仕組みです。名古屋市の案内でも、当該市町村の住民のみが利用できると明記されています。さらに各事業所には通常の事業の実施地域があり、居住地がその範囲外だと受け入れが難しい場合もあります。

 

 

24時間の在宅生活を支える「福祉用具」の重要性

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重度化して定期巡回・随時対応型訪問介護看護が必要になる方ほど、人の手だけで24時間を介護するのは限界が来ます。そこで大切なのが、福祉用具をレンタルすること。ケアごとに有用な福祉用具をレンタルすることで、短時間訪問の効果を最大限に発揮できます。

たとえば介護ベッドであれば、夜間の排せつや移乗を安全かつスムーズにし、短時間訪問でも介助がしやすくなり、家族の負担が軽減されます。エアマットレスは体圧を分散して床ずれのリスクを下げ、睡眠や安楽などQOLを支えつつ、巡回時の観察・ケアの効果を高めることができます。さらに離床センサーなどがあれば、起き上がりや徘徊の兆候をいち早く察知し、見守りの不安を減らせます。

 

 

まとめ:定期巡回サービスで、在宅介護に「もっと安心」を

在宅での介護をストレスなく行うためには、サービス(人)と福祉用具(環境)の両輪を整えることが大切です。定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、定期的な巡回と随時通報への対応を組み合わせ、自宅での生活を支える仕組みですが、重度化している方ほど人の支援だけでは夜間や移乗・褥瘡リスクを支え切れない場面が増えます。だからこそ、介護ベッドや床ずれ防止用具、見守り機器を適切に活用することが大切。もし、定期巡回・随時対応型訪問介護看護のことで迷いや悩みがあれば、ケアマネジャーや福祉用具を専門としている事業者に相談してみましょう。

介護用品・福祉用具をレンタル(リース)でサポートします

日建リース工業は、介護現場に必要な介護用品・福祉用具を豊富に取り扱っており、ご利用者はもちろん、ご家族の方々にも喜んでいただけるケアレンタルサービスを提供しています。専門知識を持った担当が多数在籍し、一人ひとりが福祉用具貸与事業者様、ケアマネジャー様への的確なアドバイスを行えるよう、日々知識の習得と向上に努めています。見積依頼も無料ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

よくある質問

要支援でも利用できますか?
いえ、要支援ではできません。「要介護1以上」の認定を受けた方が対象です。
福祉用具レンタルと併用すると、料金はどうなりますか?
定期巡回・随時対応型訪問介護看護の月額費用とは別に、福祉用具のレンタル料が発生します。どちらも介護保険の適用範囲内(自己負担1〜3割)で利用可能です。
定期巡回サービスを利用すると、今のケアマネジャーを変更しなければなりませんか?
いいえ、変更する必要はありません。定期巡回・随時対応型訪問介護看護を利用しても、今のケアマネジャーが引き続き居宅サービス計画(ケアプラン)を管理します。定期巡回・随時対応型訪問介護看護側は、計画作成責任者が具体的な訪問日時や内容を組み、ケアマネに報告する流れです。
独居(一人暮らし)でも利用できますか?
はい、独居(一人暮らし)でも利用できます。実際、厚生労働省の資料でも、利用者の世帯構成は独居が最も多い(82.7%)と示されています。(参考:https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000647287.pdf)
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