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介護DXとは?成功の鍵は「福祉用具」にあり。現場の負担を減らす環境づくりのポイント

更新日:2026/04/16

「介護DX」という言葉が広がる一方で、多くの施設で「ITは難しそう」、「コストが……」との声も聞かれます。しかし、DXの本質は「現場の負担を減らし、ケアの質を高める」こと。デジタル機器やシステムを導入する前に、するべきことがあるのではないでしょうか。大がかりなDXの前に「福祉用具の最適化」というもう一つのDXについて解説していきます。

介護DXの本来の目的とは?IT導入のその先にあるもの

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介護DXとは、デジタル技術を活用して介護の現場をより良く変革する取り組みを指します。記録や情報共有、見守り、請求・勤怠などの業務をデジタル化することで、仕事のムダや属人化を減らし、介護の質と働きやすさを両立させていくのが狙い。

 

厚生労働省も介護DXを推進しています。その背景には、深刻な人手不足があります。限られた人数でサービスの質を維持し続けるためには、現場の努力だけでは限界があり、業務のやり方そのものを見直して生産性を上げる必要があります。そこで、記録・連絡・請求といった間接業務の効率化や、見守り機器などによる業務負担の軽減を通じて、職員が本来のケアに集中できる環境を整えることが求められています。

 

介護DXを推進する上で最も大切なのは「最新のデジタルツール」を導入することではないということ。介護DXはシステムや機器の導入を目的にするのではなく、現場で働く人が「楽になった」「仕事が回るようになった」と実感できる変化をつくるための手段であることを忘れないでください。

 

 

見落とされがちな「物理的DX」:福祉用具の更新がもたらす効果

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介護DXと聞くと、介護記録ソフト、タブレット、見守りセンサー、インカムなど、どうしても「デジタル化」や「システム導入」に目が向きがちです。もちろん、情報共有や記録の効率化は重要です。しかし、どれだけシステムを整えても、現場の負担が本当に軽くなるとは限りません。なぜなら、介護現場が抱える負担の正体は、入力作業の手間だけではなく、移乗・体位変換・排泄介助といった身体を使う業務にあり、そこから生じる腰痛や疲労の蓄積が離職や事故リスクに直結するからです。古いベッドや車いすのままでは、職員の身体的負担は消えません。いくら記録が早く終わっても、腰にかかる負荷そのものが減らなければ、現場は楽にならないのです。

 

そこであらためて見直してほしいのが、福祉用具の更新による「物理的DX」という視点です。最新の福祉用具は、単なる備品ではありません。多機能ベッド、軽量車いす、スライディングボードなどは、介助動作を根本から変えるために、素材・形状・機構が緻密に設計された、いわば高度な業務改善ツールです。

 

このような道具の進化は、介助の質を保ち、時間・人数・体力を同時に節約し、事故の芽も減らしていきます。

「道具を最新に保つこと」自体が、現場の生産性を劇的に変えるDX。介護DXの本質は、システムを入れることではなく、職員の負担が減り、現場が回るという結果をつくることなのです。

 

 

福祉用具の最適化で解決できる「3つの現場課題」

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福祉用具の最適化は、単なる“備品の入れ替え”ではありません。移乗・排泄・見守りといった現場の中核業務を、安全に・短時間で・再現性高く行えるようにする「物理的DX」です。とくに次の3つの課題は、福祉用具の見直しによって改善が見込めます。

 

1.移乗・移動の負担軽減:腰痛リスクを減らし、職員の離職を防ぐ

介護現場で最も大きい負担の一つが、ベッドから車いす、車いすからベッドといった移乗介助や、移動介助に伴う前傾姿勢・持ち上げ動作です。多機能ベッドや軽量車いす、スライディングボードやシートなどを適切に導入すると「持ち上げる介助」から「滑らせる・支える介助」へ移行できます。結果として腰への負担が減り、慢性的な疲労や腰痛リスクを抑え、離職要因の一つを最少化できます。

 

2.利用者の自立支援:適切な用具が「自分でできること」を増やし、介助時間を短縮する

福祉用具は、職員の負担を減らすだけでなく、利用者の能力を引き出すための道具でもあります。手すりや起き上がりを助けるベッド機能、座った姿勢を保持しやすい車いす、移動を安定させる歩行補助具などを使うと、利用者が少しでも自分でできる場面が増えます。これにより、利用者の自尊心や生活の質(QOL)にもつながります。

 

3.安全性の向上:事故リスクの低減と、スタッフの精神的ゆとりの創出

転倒・転落・ヒヤリハットは、職員の心理的負担を増やします。体位や姿勢を安定させる用具、移乗を安全にする補助具、離床センサーなどの見守り機器を適切に組み合わせることで、事故リスクを下げることができます。事故が減ると、スタッフの精神的ゆとりが増します。これはサービスの質を底上げし、チームの雰囲気や定着にも良い影響をもたらします。

 

 

なぜ介護DXの第一歩に「レンタル」が適しているのか?

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介護DXを推進していくと、多くの課題にぶつかります。「何を入れれば効果が出るのか分からない」、「予算化しづらい」、「現場が本当に使いこなせるか不安」などなど。そんな課題を解消するために、介護DXの第一歩として「福祉用具をレンタルで整備する」という選択が現実的です。レンタルは単に安く済むだけでなく、DXの本質である「変化への対応」を最初から組み込める良さがあります。ここでは4つのメリットを挙げていきましょう。

 

メリットその1.初期費用の抑制:高額な一括購入を避け、月額予算で環境整備ができる

福祉用具の更新は効果が大きい一方で、購入で揃えると初期費用が膨らみがちです。レンタルであれば、必要な用具を月額の固定予算で導入でき、資金繰りや稟議のハードルを下げられます。まずは負担が集中しているフロア、事故リスクが高い利用者から段階的に整備してみてはいかがでしょうか。

 

メリットその2.常に「最新」を使える:DXの本質である「変化への対応」をレンタルの柔軟性で実現

介護DXは、一度導入して終わりではなく、現場の状況に合わせて継続的に改善する取り組みです。時が経てば、利用者の状態も、職員の体制も、施設の運営方針も変わります。レンタルなら、その変化に合わせて用具の見直し・更新・切り替えがしやすく、常に今の現場に合う最適解を取り続けられます。これは、まさにDXが目指す「変化に強い現場づくり」そのものです。

 

メリットその3.メンテナンス・入替の容易さ:故障リスクを気にせず、常に最適な状態をキープ

介護現場は24時間稼働。用具の不具合は、ケアの質だけでなく安全にも直結します。レンタルであれば、メンテナンスや入替の仕組みを前提に運用できるため、故障リスクを抱えずに済みます。古い用具を使い続けて「動きが悪い」、「調整が効かない」といったストレスを抱えるより、常に最適な状態を保ちやすいのがレンタルの強みです。

 

メリットその4.現場での「試行」が可能:実際に使ってみて、スタッフに合うものを選べる

福祉用具は、カタログだけでは現場に合うか合わないかが分かりません。職員の体格やスキル、介助の流れ、利用者の状態によって、適した用具は変わります。レンタルなら実際に使ってみて、現場が納得したものだけを採用できます。結果として「導入したのに使われない」、「一部の人しか使えない」といった失敗を避けやすくなります。

 

 

日建リース工業が支える「現場から始まる介護DX」

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福祉用具は、単品で導入しても効果が充分に発揮できないことがあります。例えば、ベッドだけ新しくしても移乗が変わらなければ腰痛リスクは残ります。見守り機器だけ入れても、対応フローが整っていなければ現場の忙しさはそれほど変わらないでしょう。そこで重要となるのは、施設の課題に合わせて「用具を組み合わせる」ことです。

 

日建リース工業は、介護ベッド・車いす・移乗補助具・床ずれ防止用具・見守り機器など、幅広いラインナップを前提に、現場でどのような業務が最も負担になっているか。どこに事故リスクが潜んでいるか。どの動線を改善すべきか。といった観点から、施設ごとに最適な用具構成を提案します。

 

また、日建リース工業は「納品して終わり」ではありません。福祉用具は導入してからが本番。現場で実際に使われ、標準化され、職員が楽になったと実感して初めて意味を持ちます。だからこそ、日建リース工業は、単なる物品供給ではなく、現場の働きやすさを一緒に考えるパートナーとして伴走していきます。

 

 

まとめ:システム導入の前に、まず「足元の環境」の見直しを

「介護DX」と聞くと、どうしても「システムを入れる」、「ITに強い人が必要」と身構えてしまいがちです。しかしその本質は、デジタル化そのものではなく、現場の負担が減り、業務が回り、安全性が高まる結果をつくること。だからこそ、システム導入の前にまず見直したいのが、毎日の介助を支える足元の環境が大切なのです。

介護用品・福祉用具をレンタル(リース)でサポートします

日建リース工業は、介護現場に必要な介護用品・福祉用具を豊富に取り扱っており、ご利用者はもちろん、ご家族の方々にも喜んでいただけるケアレンタルサービスを提供しています。専門知識を持った担当が多数在籍し、一人ひとりが福祉用具貸与事業者様、ケアマネジャー様への的確なアドバイスを行えるよう、日々知識の習得と向上に努めています。見積依頼も無料ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

よくある質問

IT化をまったくせずにDXと言えるのでしょうか?
DXとは「デジタルによる変革」を意味します。IT化も重要ですが、用具の改善で業務フローが劇的に楽になるなら、それは立派な現場改革の第一歩です。それができた上で必要であれば、デジタルやシステムの導入を考えるのが順当です。
どのような用具が業務効率化に最も効きますか?
移乗を助けるリフトやスライディングボード、高さ調節がスムーズな最新ベッドなどは、職員の腰痛予防と時間短縮に即効性があります。
全入居者の用具を一斉に替える予算がありません。
レンタルであれば、特定の居室や重度の方から段階的に導入し、月々の経費として平準化することが可能です。いきなり購入という手段を取るのではなく、レンタルも視野に入れてみてはいかがでしょうか? 
介護記録ソフトなどのIT導入と、福祉用具の見直し、どちらを優先すべきですか?
現場の職員が身体的に疲弊している状況であれば、まずは福祉用具による「物理的な負担軽減」を優先することをおすすめします。身体と心にゆとりが生まれることで、その後のITツール導入の際にも、スタッフが前向きに新しい運用を覚える「余力」ができるはずです。
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